最近流行りのコワーキングスペースとは?メリットやデメリットについても紹介
コワーキングスペースについて、大まかにイメージは持っていても「具体的にどのようなものかわからない」という人が多いのではないでしょうか。
コワーキングスペースは、カフェや図書館のようにオープンなスペースで仕事を進める場所です。コストを抑えながら効率よくビジネスを進められたり、コミュニティとして利用しながらビジネスチャンスを拡げられたりします。
最近ではコワーキングスペースのチケットがふるさと納税の返礼品となったり、地方創生の事例として紹介されたりと、コワーキングスペースの注目度が上がってきています。
そこで、この記事では、コワーキングスペースとは何か、どのようなメリットとデメリットがあるのかなどを紹介しますので、ぜひあなたのビジネスをうまく進めるために参考にしてみてください。
コワーキングスペースとは?
コワーキングスペースとは、複数の独立した会社や個人事業主、あるいはサラリーマンが、オフィス環境を共有(シェア)するスペースのことです。
大まかにはカフェで仕事をするようなものと捉えても良いですが、ビジネスに特化し、「コミュニケーションを図れる」という要素が加わります。
外出の合間で一時利用(ドロップイン)という形で利用する事もできます。
以上をまとめると、コワーキングスペースには以下3つの特徴があるといえるでしょう。例えば独立性や共有性がなければ通常の会社オフィスと変わりませんし、コミュニティ性がなければカフェと実態は変わりません。
- 独立性:利用者同士が同じ会社に属しているわけではない
- 共有性:独立したビジネスを同じ空間で行っている
- コミュニティ性:異業種交流などコミュニケーションを図れる
また、国土交通省の「テレワーク人口実態調査」によると、コワーキングスペースは「いつでも利用できる柔軟性と比較的安価な特徴をもつ。利用者間での交流が期待できる反面、プライバシーは確保しづらい」と記載されています。
なお、最近コワーキングスペースが注目されている(発展している)理由は、大まかに以下3つです。
- 通信技術の進化により場所をとらわれずに仕事を進められるようになった
- フリーランスなど小規模事業者が増えている
- 柔軟な働き方が求められている
他にも多くのことがいえますが、コワーキングスペースには以上のような社会的ニーズがあるため注目され、発展しているといえるでしょう。コワーキングスペースのメリットについては後述します。
コワーキングスペースの機能
コワーキングスペースには具体的にどのような機能があるのでしょうか。以降で解説していきます。
オフィス用品(オフィス環境)
自宅ではなく外で仕事を進めようと思ったとき、必要なものはほとんどコワーキングスペースに設置されていると考えても良いでしょう。
具体的には以下のようなものです。
- コンセント(電源)
- 無料Wi-Fi
- プリンター
- デスク(机)
- 椅子
なお、無線LAN(Wi-Fi)ではなく有線LANを利用できるコワーキングスペースもあります。
フリードリンク
コワーキングスペースでは、フリードリンクを利用できることが一般的です。
先ほどカフェと比べてみましたが、コワーキングスペースでもドリンク類は設置されているため、やはりカフェよりも仕事を進める環境が整っているといえます。
個室利用
コワーキングスペースというとカフェのようなオープンスペースを指すことが一般的といえますが、個室を利用できるコワーキングスペースもあります。
個室であれば、広さにもよりますがセミナーや研修などのイベントや会議の会場として利用可能です。
住所利用・法人登記対応
コワーキングスペースのなかには、コワーキングスペース施設の住所を法人登記に利用できるものがあります。
法人登記を行うにあたって自宅住所を登記するのは避けたいという人や、オフィスの賃貸契約コストを抑えながらビジネスをスタートしたい起業家にとって大きなメリットとなるでしょう。
宅配受取・保管サービス
住所利用ができる場合、宅配便の受け取りを代行してもらえるサービスもあります。
コワーキングスペースを利用する3つのメリット
コワーキングスペースを利用するメリットはさまざまですが、大きく分けて以下の3つです。
- コストを抑えながらすぐにビジネスを開始できる
- ビジネスチャンスを拡げられる
- 効率良く仕事を進められる
安さ重視ですぐにビジネスを開始できる
通常、ビジネスをスタートするためにはオフィスの賃貸契約をし、必要な器具備品を購入します。さらに、赤字だとしてもビジネスを継続するうえでは家賃や水道光熱費、インターネット通信費などの固定費を支払わなければなりません。
その点、コワーキングスペースを活用すれば、賃貸契約よりもはるかに低いコストで、器具備品・水道光熱費・インターネット通信費込みの料金で利用できるのです。
さらに、オフィスを探して契約するよりも短い時間でビジネスを開始できます。
ビジネスチャンスを拡げられる
コワーキングスペースでは、ビジネスチャンスが拡がることを期待できます。コワーキングスペースは仕事の内容は違っても、さまざまな価値観や経験を持った人が集まるスペースでもあるからです。
ビジネスを拡大するために情報収集やコミュニケーションが重要なのは当然のことですが、その場として、コワーキングスペースのコミュニティ性を活用できるのです。
特に自宅で仕事を進めるフリーランスは、孤独を感じることも多いといいます。国土交通省の「テレワーク人口実態調査」では、コワーキングスペースを活用し利用者間での交流を深めることによって、89%の回答者がより幸福感を感じるようになったという調査結果を紹介しています。
このメリットは、カフェや完全個室型のレンタルオフィスでは享受できないメリットといえるでしょう。
休憩スペースで他の利用者に積極的に話しかけてみるのも、コワーキングスペースを使いこなす1つの手かもしれません。
効率良く仕事を進められる
ビジネスチャンスを拡げられることはもちろん、コワーキングスペースでは効率よく仕事が進む効果も見込めます。
よく心配されるのが、「周りがうるさくて集中できないのでは?」といった不安です。しかし、通常のオフィスであってもその点は同じだと考えることもできます。
また、自宅だと「サボってしまう」こともあったり、「子どもがうるさくてなかなか集中できない」といった事情もあるでしょう。
一方、コワーキングスペースは良い刺激を受けながら「ビジネスをする環境」が整っているため、効率良く仕事が進む効果を見込めるのです。
コワーキングを利用するデメリット
コワーキングスペースを利用するデメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
- 周囲の雑音が聞こえてしまう
- セキュリティリスクが高め
- 作業スペースが狭いこともある
周囲の雑音が聞こえてしまう
コワーキングスペースは基本的にオープンスペースなので、どうしても周囲の雑音が聞こえてしまいます。コワーキングスペースはコミュニティ性があると述べましたが、やはりコミュニティ性と静かな環境は両立が難しいものです。
通常のオフィスや子どもがいる家庭でも同様のことがいえますが、「静かに仕事を進めたい」という人であれば気になってしまう場合もあるでしょう。
ただ、コワーキングスペースは契約前の事前見学(内覧)が可能な場合が多いため、一度利用してみるのがおすすめです。
セキュリティリスクが高め
会員制であったとしても基本的にはオープンスペースであることから、セキュリティリスクはどうしても高くなってしまいます。
そのため、離席時にはモニターの電源を切るなどの対策が必要です。
作業スペースが狭いこともある
コワーキングスペースは、どの席も自由に利用できるという、いわゆるフリーアドレス制である場合があります。そのため、空席率が低い場合には作業スペースが狭くなるという懸念が生じます。
やはり、固定席を設けるよりフリーアドレス制としたほうがコワーキング施設の利用効率が高まるのが現実です。
そのため、コワーキングスペースにおける作業スペースは、利用料金とトレードオフの関係にあると考えることもできるでしょう。
まとめ
コワーキングスペースとは、コミュニティ性のある共有オフィス環境です。カフェで仕事を進めることと比べると、プリンターがあったり、住所として利用できたり、同業者や異業者とのコミュニティ性があったりと、ビジネスに特化しているのが特徴といえます。
いつも1人で仕事を進めていて孤独を感じていたり、自宅では集中力が続かなかったりして困っているフリーランス。または、低コストでビジネスをスタートさせたい起業家にとっては、コワーキングスペースの利用を試してみる価値があるでしょう。
もし気になったら、一度お近くのコワーキングスペースを利用してみるのはいかがでしょうか。